税務ニュース

記事の詳細にご興味のある方は、 弊社より事務所通信を送付させていただきます。 お気軽にご連絡ください。


2025年
2024年


トピック:2026年は制度改正が目白押し!

税務:親の税負担を軽減する「特定親族特別控除」が新しくできました

 2026年は制度改正等により、企業や家計(国民)に新たな負担が課される年になりそうです。

(1)4月からどうなる?

 ○「子ども・子育て支援金」の徴収が始まる(医療保険料とあわせて徴収)

 ○在職老齢年金制度の見直し(在職老齢年金の支給停止基準額が「51万円」→「62万円」に)

 ○防衛特別法人税の創設(4月1日以後に開始する事業年度から申告・納付が必要)

 ○住所等変更登記の義務化(不動産の所有者に対して、住所等の変更日から2年以内の変更登記が義務付け)

(2)10月からどうなる?

 ○消費税仕入税額控除の控除割合が引き下げられる(経過措置が一部変更:免税事業者等からの課税仕入税額相当額の割合が「80%」→「50%」に)

 ○ビール・発泡酒・新ジャンルのビール系飲料の酒税が「54.25円」に統一

 ○カスハラ・就活セクハラ対策の義務化(2026年中)

経営:「決算報告会」で振り返りと戦略のアップデートを(実践編4)

税務:親の税負担を軽減する「特定親族特別控除」が新しくできました

 決算を迎えたら会計事務所が行う「決算報告会」で、前期の振り返りと戦略をアップデートしましょう。決算報告会では、次のようなことを行います。

 〇1年の振り返り:売上や利益、費用の増減に変化があった事項や出来事に着目すると、どんな1年だったかを、大まかに振り返ることができます。

 〇当期確定決算の報告・納税額の確認:前期比・計画比の数字を基に当期確定決算の数字を確認します。いわば、社長の「1年間の成績」です。

 〇戦略のアップデート:「1年間の成績」を踏まえ、今期の戦略を検討します。継続すべき点/改善すべき点を洗い出し、今期の戦略をアップデートしましょう。

 決算報告会は、社長の考えをアピールできる良い機会でもあります。可能であれば金融機関の方にも同席いただくと良いでしょう。


税務:令和7年分 所得税の確定申告 事前準備チェックリスト

税務:親の税負担を軽減する「特定親族特別控除」が新しくできました

 令和8年2月16日(月)〜3月16日(月)は、令和7年分所得税の確定申告期間です。特に個人事業者、不動産賃貸業者の方は、所得計算や控除に必要な書類や資料を、余裕をもって準備しましょう。

 一定以上の所得があった個人事業者等は、確定申告をする必要があります。「所得」とは、収入から必要経費を差し引いたものです。また、事業所得以外の収入についても令和7年中に受け取ったものについては、申告が必要な場合もあります。また申告によって所得控除等が受けられる場合もあります。

 「確定申告が必要かどうかの確認チェックリスト」を参考にして、確定申告が必要な収入があるかどうかをあらためて確認しましょう。また、「所得税の確定申告に必要な主な書類等のチェックリスト」等を基に、確定申告時に必要な資料も早めに準備しておきましょう。

 ご不明な点がありましたら、当事務所にご相談ください。

税務:親の税負担を軽減する「特定親族特別控除」が新しくできました

税務:親の税負担を軽減する「特定親族特別控除」が新しくできました

 これまで、大学生年代(19歳以上23歳未満)の子を持つ親等は、子のアルバイト等による年収(年間給与収入)が103万円以下であれば自身の所得から扶養控除(「特定扶養控除」)として63万円の控除を受けることができました。子は親等の税負担が増えないように「年収103万円以下」に抑えるために働く時間を調整することも多く、学生アルバイトを雇用する事業者は人材確保に苦慮することも多くありました。

そうした状況を税制面から改善するため、令和7年度税制改正で、子の年収が「188万円以下」までであれば、親等が所得控除を受けられるしくみが整備されました。令和7年分の所得税(年末調整において適用)、令和8年度分の住民税から適用されます。

 〇特定扶養控除:親等が受けられる特定扶養控除(控除額63万円)について、大学生年代の子の年収要件が、103万円以下から123万円以下(合計所得金額58万円以下)に引き上げられました。

 〇特定親族特別控除:親等は、大学生年代の子の年収が123万円を超えても、150万円以下(合計所得金額85万円以下)であれば、特定扶養控除と同額(63万円)の控除が受けられます。また、子の年収が150万円を超えても、年収188万円以下(合計所得金額123万円以下)までは所得控除を受けられます(子の年収に応じて控除額は段階的に縮小)。

 今回の改正により、学生等がより多く働けるようになるため、学生アルバイトを雇用する事業者は、柔軟なシフトを組むことができるようになると期待されます。

経営:期の「折り返し」は業績改善のチャンス!(実践編2)

経営:期の「折り返し」は業績改善のチャンス!(実践編2)

 社長の「今期やりたいこと」を数字に落とし込んだものが、経営計画です。経営計画は毎月の実績と照らし合わせてこそ、その真価を発揮します。期の「折り返し」では、上期の振り返りを行いましょう。業績の改善を図るチャンスにもなります。

○FXクラウドシリーズ「予算実績比較表」から売上高・変動費・限界利益額・固定費・経常利益の実績と予算を確認し、上期の全体像をつかみましょう。

○FXクラウドシリーズ「当期決算の先行き管理」から、業績予測値を入力して「このままいくと、こうなる」という着地点をシミュレーションしてみましょう。

○着地点の予測から見えてくる改善点を洗い出し、例えば、「1日あたりの売上をあと2万円増やせば資金繰りが安定する」など、1日単位の数字に落とし込んだ具体的な打ち手(やるべきこと)を検討してみましょう。

会計:経理の「?」を「!」に 支払時に「一括費用計上」できるものは?

会計:経理の「?」を「!」に 支払時に「一括費用計上」できるものは?

 費用計上のルールは、「今期の費用は今期に、来期の費用は来期に」が原則です。そのため、翌年分の地代家賃や火災保険料、保守点検料の前払いのように、期末においてまだ提供を受けていないサービスに対する支払いについては、原則として、支払った期の費用とせずに「前払費用」として資産計上し、翌期以降、サービスの提供を受けた時に費用計上します。

 ただし、例外として、支払った日から1年以内にサービスの提供を受ける費用(短期前払費用)については、一定の要件のもと、支払った期に一括して費用計上することができる「短期前払費用の特例」があります。その法人の事業に必要な、「重要な費用」は対象とはなりません。また、一定の契約に基づき毎期継続して適用する必要があるため、「利益が出たので、当期だけまとめて1年分のみ支払い、継続はしない」といった、利益調整とみられるような支払いには適用できません。

税務:令和7年度税制改正のポイント 年収160万円まで所得税の課税最低限が引き上げ

税務:令和7年度税制改正のポイント 年収160万円まで所得税の課税最低限が引き上げ

 令和6年分まで、年収103万円以下の給与所得者(会社員、パート・アルバイト等)は所得税がかかりませんでした。「103万円」の根拠は、給与所得控除の最低保障額55万円と基礎控除額48万円の合計です。令和7年度税制改正により、給与所得控除と基礎控除の金額が見直され、所得税の課税最低限が「160万円」まで引き上げられました。

 ○給与所得控除:令和7年分以降、年収190万円以下の人は「65万円」になります。

 ○基礎控除:年収200万円相当以下の人は、「95万円」となります。年収200万円相当超2,545万円相当以下の人は、令和7年分・8年分に限り、4段階で基礎控除額が変わります(88万円・68万円・63万円・58万円)。

 ほとんどの給与所得者に適用される基礎控除額が引き上げられたことで、令和7年分・8年分の所得税については、幅広い年収層で2万円から3万円程度の減税となります。

 令和7年分については年末調整で減税分を還付することになるため、年末調整事務が複雑になることが予想されます。TKCの「FXクラウドシリーズ給与計算機能」「TKCまいポータル」を利用することで、複雑な年末調整事務を効率化・省力化することが可能です。詳細は当事務所へお問合せください。

会計:経理の「?」を「!」に 請求書があれば「費用」にできる?

会計:経理の「?」を「!」に 請求書があれば「費用」にできる?

 「費用」とは、収益を得るために発生する支出のことを指します。そのため、一定期間の収益とその費用は必ず対応させること、また、発生した期間に正しく割り当てられるように処理することが求められます(費用収益対応の原則)。つまり、「今期の費用は今期に、翌期の費用は翌期に」が費用計上の大原則です。

 加えて、「いつ費用にできるか」というタイミングには、税務においても一定のルールがあります。これは「課税の公平性」の観点から、利益操作のための支出や収益との対応期間のズレがないようにするためです。税務上の費用は「損金」といい、例えば、売上高を得るために直接要する費用(売上原価)は、売上に対応する分だけが損金として計上できます。販売費や一般管理費その他の費用は、減価償却費等を除き、「当期中に債務が確定しているもの」が損金に計上できます。「当期中に債務が確定しているもの」とは、決算日までに、①その費用に係る債務が成立していること②具体的な給付をすべき原因事実が発生していること③金額が合理的に算定できること――のすべての要件を満たしているものをいいます。

 「適時・正確な記帳」のために、「費用」の処理についていま一度確認してみましょう。

労務:「お客様」の立場を利用した 過剰な要求への対応方法を考えましょう

労務:「お客様」の立場を利用した 過剰な要求への対応方法を考えましょう

 「お客様の声」は、自社の商品やサービスの開発・改善における大事なヒントです。一方、「お客様」の立場を利用し、過剰あるいは理不尽な要求、攻撃的な振る舞いをする人も。そうした人の行為は「カスタマーハラスメント(カスハラ)」と呼ばれ社会問題となっています。

 かつてはカスハラにあたる事例が起きても「顧客対応の一環」と捉える向きもありましたが、「働き方改革」の推進や少子高齢化に伴う人手不足により、従業員の立場が重んじられるようになり、顧客対応のあり方も見直されています。カスハラ被害に遭った従業員のケアを怠ると、離職につながるだけでなく、採用に影響を及ぼすおそれも。カスハラの事案が生じたら、まずは従業員に寄り添うことが大切です。

 また、自身がカスハラを行ってしまうおそれがあることも忘れてはいけません。商売において、売り手と買い手は対等であることを、あらためて意識しましょう。

税務:役員給与を見直すときの留意点

税務:役員給与を見直すときの留意点

 従業員に対する給与・賞与等は、税務上、損金算入が認められています。一方、会社役員に対する給与・賞与等(役員給与)は、利益調整等の「経営の恣意性」の排除といった観点から、原則として損金不算入とされています。

 ただし、中小企業では、「定期同額給与」「事前確定届出給与」のどちらかに該当すれば、不相当に高額な部分を除き損金算入が認められています。

 「定期同額給与」「事前確定届出給与」の支給には一定のルールがあり、そのルールに従った運用が求められます。安易な中途改定は、税務上のリスクが伴います。期中の支給額変更を避けるためには、経営計画から導いた業績予測を基に支給できる役員給与の総額を算出した上で、月額給与を決めていくことが大切です。詳細は、当事務所までご相談ください。

税務:令和7年度税制改正のポイント 子育てを支援する税制

税務:令和7年度税制改正のポイント 子育てを支援する税制

 子育て世帯の経済的負担を軽減し、安心して子育てができる環境を整えることを目的として、令和7年度税制改正において、子育て世帯等を対象として、①住宅ローン控除の拡充の延長②住宅リフォーム税制の拡充の延長③生命保険料控除の拡充──が行われます。

 ①住宅ローン控除の拡充の延長

 令和6年限りとされていた子育て世帯等(19歳未満の子を有する人、またはいずれかが40歳未満の夫婦)に対する住宅ローン控除の借入限度額の上乗せ措置および床面積要件の緩和措置が、令和7年に限り引き続き適用できるようになりました。

 ②住宅リフォーム税制の拡充の延長

 子育て世帯等が現在所有・居住しているマイホームに一定の子育て対応改修工事(リフォーム)を行った場合に、標準的な工事費用相当額(250万円を限度)の10%に相当する金額等を所得税から控除できる制度です。令和7年に限り引き続き適用できるようになりました。

 ③生命保険料控除の拡充

 令和8年分の措置として、子育て世帯(年齢23歳未満の扶養親族がいる世帯)を対象に、所得税の生命保険料控除において、新生命保険料に係る一般生命保険料の控除額の計算方法が見直され、その上で、適用限度額が最高6万円(現行:4万円)に引き上げられます。

トピック:令和7年5月「改正戸籍法」施行 戸籍の氏名にフリガナが追加されます

トピック:令和7年5月「改正戸籍法」施行 戸籍の氏名にフリガナが追加されます

 これまで氏名の「フリガナ」は戸籍の記載事項とされていませんでしたが、令和5年6月に戸籍法が改正され、戸籍の記載事項に、新たに氏名のフリガナが追加されることになります。この制度は、令和7年5月26日からスタートします。

 制度開始日以後に、出生等により初めて戸籍に記載される人は出生届等の届出時にあわせてそのフリガナを届け出ることとなりますが、それ以外の人は、次のような流れで戸籍へフリガナが記載されます。

(1)令和7年5月26日以降、本籍地の市区町村から戸籍に記載される予定の氏名のフリガナの通知が届く

(2)通知されたフリガナが正しいかどうか確認する(正しい場合、特段の手続きなし)

(3)フリガナが誤っている場合、令和8年5月25日までに正しいフリガナの届出が必要(マイナポータルから届出可能)

経営:面倒な入力作業にさよなら 「デジタルインボイス」で手間いらず!

経営:面倒な入力作業にさよなら 「デジタルインボイス」で手間いらず!

 インボイス制度の開始で売り手・買い手双方に留意すべき点が増えた請求業務。社内外の関係者とのやりとりも多く、人為的ミスが起きやすい業務の1つです。そうした中、「デジタルインボイス」を中心としてデータ連携させれば、売り手・買い手の双方で「手間いらず」な請求業務が実現します。

 デジタルインボイスとは、請求書の発行から受領まで、一切人の手を介さずに、売り手と買い手のシステム間で直接データを連携させて自動処理する仕組みです。PDF等の電子データとは異なり、データの項目が統一されている(標準化)、コンピュータが読み取りやすい形式になっている(構造化)――ことから、売り手・買い手の双方で、請求データ発行/受領後の作業が自動処理されるのです。

 業務をより効率化し、時間外労働の抑制や人手不足に対応していく上でも、デジタルインボイスへの対応は必要不可欠といえます。

税務:令和7年度税制改正のポイント 資産形成の一助に!知っておこう「iDeCo」の改正

税務:令和7年度税制改正のポイント 資産形成の一助に!知っておこう「iDeCo」の改正

 iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、国民年金や厚生年金等の公的年金に上乗せする年金制度の1つです。加入は任意で、加入者は、自身で設定した掛金を拠出し、その掛金を元手に自ら選んだ金融商品で運用。運用益を含めて積み立てた年金資産は、原則60歳から受け取ることができます。

 働き方やライフコースが多様化する中、老後に向けた資産形成をより一層促進する観点から、令和7年度税制改正において、iDeCoの毎月の拠出限度額が引き上げられます(確定拠出年金法等の改正が前提であり、引き上げの具体的時期は未定/令和7年2月1日現在)。第2号被保険者(会社員等)の場合、企業年金と共通の拠出限度額に一本化。企業年金の有無にかかわらず、「iDeCo+企業年金」の合計拠出限度額は月額6万2,000円となります。第1号被保険者(自営業者やフリーランスの人)の場合、「iDeCo+国民年金基金等」との合計拠出限度額は月額7万5,000円となります。

法務:法務局が保管!安心して遺言書を残せる「自筆証書遺言書保管制度」

法務:法務局が保管!安心して遺言書を残せる「自筆証書遺言書保管制度」

 「自分の財産を誰にどれだけ残すのか」という意思表示を書面にしたものが遺言書です。一般的に用いられる遺言書には「公正証書遺言」「自筆証書遺言」があります。「公正証書遺言」は、公証人が遺言書の作成を手掛けるため無効になる可能性が低く、原本は公証役場で保管されるので改ざんや盗難・紛失等のおそれがありません。その反面、証人が2人以上必要で、費用や手間がかかります。「自筆証書遺言」は、遺言の全文は自筆でなければなりませんが、費用や手間がかからない一方で、「一定の要件を満たしていないと、遺言が無効になる」「破棄、隠匿、改ざんされるおそれがある」といった課題があります。

 こうした課題を解消し、自筆証書遺言を安心して残しやすくするための制度が「自筆証書遺言書保管制度」です。この制度は、遺言書の作成者本人が遺言書を法務局に持参し、本人確認を受けた後、法務局において自筆証書遺言(原本)とその画像データが保管されるものです。①法務局で保管されるため、紛失や隠匿、改ざん等のおそれがない②民法で定める自筆証書遺言の形式に適合するかについて法務局が確認するため、外形的なチェックを受けられる――等の利点があります。なお、遺言書の作成にあたっては、税務への影響もあるため、税理士にお声掛けください。

税務:そもそも「103万円の壁」って何?

税務:そもそも「103万円の壁」って何?

 令和7年度税制改正において、話題となっている「年収103万円の壁」の見直し。「103万円」とは、基礎控除額48万円と、給与所得控除の最低保障額55万円を合わせた合計の金額で、所得税が非課税となる範囲をいいます。このことから、「103万円」という金額が1つの区切り(壁)のように強調され、その結果、この金額を目安として就業調整をする人も少なくありませんでした。

 「令和7年度税制改正の大綱」(令和6年12月27日閣議決定)によれば、基礎控除額が58万円に、給与所得控除の最低保障額が65万円に引き上げられます。これにより、一部の人を除き所得税が減税となります。特に、これまで「103万円以内」を意識して就業調整をしていた人は、所得税の非課税の範囲が123万円まで拡大することで、働き方が変化することになります。

 「103万円の壁」の見直しによって、所得税の課税対象外となる人が増えれば、源泉徴収の対象者が減少します。また、扶養控除の合計所得金額要件も見直されることになります。給与計算システムの活用等、柔軟な対応ができるように今から準備しておきましょう。

経営:「ギャップ」は成長のヒント!経営計画を活用しましょう(実践編)

経営:「ギャップ」は成長のヒント!経営計画を活用しましょう(実践編)

 社長の「今期やりたいこと」を数字に落とし込んだものが、経営計画です。経営計画は毎月の実績と照らし合わせてこそ、その真価を発揮します。経営計画と実績の「ギャップ」から、「今どうなっているのか」「これからどうしていけばいいのか」など、会社が成長・発展するヒントが見つかります。実績の数字を見て「あれ?」と感じたところから、その背景や要因を探り、打ち手を考えて実行することが大切です。

 経営計画の達成のためにも、毎月しっかり最新業績を確認する習慣をつけましょう。

経営:2026年に紙の約束手形の利用が廃止されます 進めましょう!決済手段のデジタル化

経営:2026年に紙の約束手形の利用が廃止されます 進めましょう!決済手段のデジタル化

 決済手段の1つである、紙の約束手形。約束手形を振り出して支払う側の企業(支払企業)にとっては、①現金での支払日を延ばせるため資金繰りに余裕ができる②金利が発生しないためコストが削減できる──といったメリットがあります。一方で、約束手形を受け取る側の企業(受取企業)にとっては、その裏返し。また、多くの場合、支払企業は仕事を発注する側であり、受取企業は仕事を受注する側=下請の立場にあります。こうした取引上の立場の違いもあり、紙の約束手形による支払いは、受取企業が資金繰りに苦しむ要因の1つとなっていました。そこで政府は、「2026年をめどに、紙の約束手形の利用を廃止する」との方針を打ち出し、これを受けて産業界・金融界では、その実現に向けた取り組みが進められています。

 現在、支払手段の1つとして紙の約束手形を利用している企業は、2026年までに、①現金による支払い(原則/インターネットバンキングによる銀行振込を含む)②電子記録債権(でんさい)による支払い――のいずれかの支払手段に切り替えることが必要です。

 また、2024年11月以降、下請法(下請代金支払遅延等防止法)の運用ルールが変更され、交付から満期日までの期間が60日を超える約束手形等による支払いは、業種を問わず行政指導の対象となりました。決済手段のデジタル化とともに、支払サイトの短縮が必要な場合は、新たに生じる運転資金の調達方法も考慮しましょう。

経営:あらためてチェックしてみよう!健全経営を支える経理の「きほん」

経営:あらためてチェックしてみよう!健全経営を支える経理の「きほん」

 中小企業の経理担当者は、総務・人事・労務など複数の業務を兼務するケースが多いことでしょう。さまざまな業務をこなし、毎日の限られた時間の中では、記載事項等に不備のある証憑書類(領収書・請求書等)が回ってきても、「時間もないし……まあ、いいか」と目をつぶってしまいかねません。

 けれども、実はそうした「まあ、いいか」は御法度です。日々の経理処理は、事業の実態をタイムリーに、かつ正確に把握するベースとなるもの。不確かな経理処理の積み重ねによってできあがる試算表や決算書は、当然、あいまいで不正確なものになり、その結果、社長は最適な経営判断を下すことが難しくなってしまいます。

 また、「経理処理の不確かさ=お金の管理の甘さ」は、会社全体のモラルを低下させ、「公私混同」や不正を招く要因にもなります。経理処理こそ「基本に忠実」が重要です。あらためて自社の経理体制を見直してみましょう。また、適時・正確な経理処理のためには、①全従業員の協力②人為的ミスを減らす/防ぐ仕組みの導入(ダブルチェック体制の導入・業務の自動化)――も大切です。